感染症の海外ニュースと解説

接種適正量が定まらずダッチロールを続ける
緊急承認ワクチンの大規模接種

2021/02/20
最終更新:2026-09-17

1. 新コロナウィルスのワクチンは毎日進化しています2021年2月17日から日本でもワクチン接種が始まりましたが、嬉しいのは非常に多くの方がワクチンの勉強をし、是非を自己判断できるレベルに達していること。
予想通り、注文済みワクチンの納品は大幅に遅れ、一部の医療関係者以外はだいぶ先になり、高齢者の接種を含めて大量の海外先例をじっくりと検討する時間があります。
三密を敬遠できる方が、丁寧に情報を検討しているインタビュー報道が多いのは、頼もしい限りです。
海外の大規模接種はすべて治験と同様ですから、そのデータにより漸次改良が加えられているようで、有力な後発メーカーも安全性、有用性に勝るワクチンを登場させるでしょう。

最近はワクチン情報があふれていますので、ロハスケがお伝えすることはほとんどありませんが、現在の状況は、これまでお伝えした情報と変わることはありません。
すでに緊急使用が承認された3社を含め、これから承認される開発企業もJ&Jなど予定通りの顔ぶれです。
中国のシノヴァクス、ロシアのスプートニクスは情報が公開されませんので信頼度の点で解説からは除外しています。
 下記インデックスにこれまでのワクチン情報が羅列(られつ)されています。
感染症の海外ニュースと解説https://botanicals.co.jp/library_index.php?cate_number=272. 適正接種量が定まらずダッチロールを続ける緊急承認ワクチンの大規模接種欧米で緊急承認され、大量摂取されているワクチン3社の最大論点は適正接種量。
1回、2回、3回接種の是非が議論されています。
強い作用を持つ抗ガン剤などの医薬品が必要量を分割して摂取するのと同じ理由で、分割は強い副作用(副反応)を防ぐためです。
 緊急承認後に大規模接種が始まった英米、EU諸国では、緊急承認ワクチンの生産量が追いつかないこともあり、接種回数の是非が話題となるのですが、昨年から英米での接種で先行するアストラ社やファイザー社が最も大きな関心を持っているのは適正接種量。
まだ確信を持つまでに至ってないからです。
開発メーカーは因果関係が証明できていないと否定するものの、被接種者に死者が出ているのは、安全で有効な接種量が決まっていないことに起因すると理解しているのでしょう。
答えが出ない未熟なままで各国が緊急承認を強要しているのですから、現在はいわば大規模な治験。試行錯誤があるのは必然と言われれば、その通りです。
「アストラゼネガ社のSARS-CoV-2ワクチン治験中断」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=701
 新型コロナウィルスは想像もできなかった世界的な拡がりとなり、必然的に他の感染症に較べ型、株と呼べる変異種出現数が多くなってきていますから、世界各地で接種(治験)をするたびにその答え(抗体発現状態)が変わっているようです。
また、分割接種にしてまで接種量を増やしても、必ずしも結果が良いわけでないことは、アストラゼネカ社の治験が証明しています。
あるアストラゼネカ社の治験で、1回目の接種量を*間違えて半量にしていたら、効果がはるかに高かったのです。*(いくつかあるウィルス量測定方法の適用を誤ったそうです)
一定量を超えると真逆の結果になることはサプリメントでも珍しくない現象です。
 
3. 予見されていた新変異株の蔓延変異種という意味が解らない国民に、誤解なのか曲解なのか、頻発するバリアント変性程度の例を挙げて、ウィルスが変異するのは当たり前と言い切る医療関係者がいますが、昨今の変異種と呼ばれる重大な変異は新変異株。当たり前ではありません。
正体をつかむのに時間がかかりますから、怖い現象です。

海外でmutantやstrainとまで言われる変異は新たな株や品種を指しています。
現在の新コロナウィルス(Sirs-CoV2)は2003年ごろ武漢で発生したサーズ・ウィルス(Severe Acute Respiratory Syndrome)の変異種(変異株)です。
ウィルスのスパイクにサーズ1型(Sirs-CoV1)にない、いくつもの変異があり、性格が大きく異なるために、新たな株と言えるサーズ2型(Sirs-CoV2)と呼ばれているのです。
 今回の流行は未曾有の規模となったために、これまでと異なり、大規模な変異が各地で頻発していますが、人類が総力戦に持ち込めば、ウィルスも「生き残るために人類の攻撃を回避するよう大きな変異をする」と シンプルに考えれば、新変異株続出の意味が納得できるでしょう。

一般的な医薬品ならばターゲットを特定して治験出来ますが、現状のウィルスは千変万化。ターゲットが定まらなくなっています。
攻撃する人類の知恵がウィルスの強い生命力を終焉させるのは何時なのか。
新変異種に対応する迅速なワクチンづくりは可能ですが、様々な新変異株が世界中に拡がっており、まさにゲリラ戦。
ベトナム戦争を思い起こさせます。
ウィルスに茶化されて、いわゆる「いたちごっこ」または「モグラたたき」とならぬよう、祈るばかりです。4. 誤解されているサーズ2 (Sirs-CoV2)新変異株の意味いくつもの新変異株がすでに日本中に拡散新変異株が話題となり、メディアの関心が高くなったのは喜ばしい限りですが「現段階では新変異株に面の拡散はない」との国の広報。
しかしながら実施されているウィルス遺伝子解析はほんのわずか。
感染者全数の解析をしているわけではありませんから、各県ともに武漢型(Sirs-CoV2)の発生件数と、いくつもある新変異株発見件数を比較できるはずはありません。
日本ではウィルスの遺伝子検査に手数がかかりますから、感染者の数パーセントを調べたら多い方ですが、難しいでしょう。
爆発があるとすればこれからですから「現状は面での拡散では無い」と言い切るのは無理があります。
 海外で新変異株が静かに拡がり始めた初期は、2020年5-6月頃の英国。
研究者の報告をジョンソン(イギリス)首相が無視しており、9月になり拡大が表面化しても無視を続けていましたが、慌て始めたのは夏のバカンスで急拡大し、爆発状態となった11月の半ば。
再ロックダウンを宣言したものの、抜け穴だらけで機能せず、その後の惨事はご存じの通り。
クリスマス商戦など経済活性を優先して、多数の死者を出し、ジョンソン首相の大失敗政策となりました。
 日本で学者が新変異株の警告を始めたのは武漢型(Sirs-CoV2)の最初の波が一時的に収まり、業者救済のために海外も含めた人の移動を日本政府が推奨、奨励した頃。
警告は、すでに日本でも数種の新変異株がぽつぽつ発見されていたからですが7月22日には研究者の警告を無視してGoToが始まりました。
「南部イングランドでブレイクした南ア系Sars-cov-2の変異種日本にはスペイン系のA20 /EU1が上陸か」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=710
 日本政府が11月ごろからの感染再爆発で慌てて人の動きを制限したのは2020年12月半ば。
新変異株は感染力が1.5倍、2倍に増している(という報告も)のが最大の懸念ですが、すでに英国からの新変異株を主に日本の各地に上陸しています。
TVなどで遺伝子変異は細胞分裂途上で遺伝子をミスコピーして起きると解説する古い専門家がいますが、新コロナウィルスが変異を繰り返すのは人類の攻撃をかわすための変異であり、意図的なものですから、大きな変異をするたびに感染力増強と強毒性となるのが自然でしょう。
(意図的:適切な表現ではありません。意志がないウィルスですから神が与えた?)

昨年12月12日までの1か月間に海外から入国した方は5,000人を超えており、3,500人が英国からでしたが、その内3,000人を超えているのが日本人。
当時はオリンピックに帰国日本人、海外観光客を多数迎えることが政権の方針でしたから、英国で蔓延していた新変異株コロナウィルスのいくつかが広く拡散し、日本でさらなる変異を起こした型が出現しても不思議ではありません。5. 予期せぬ突然の巨額利益に驚いたワクチン開発企業いくら各国政府がワクチン出荷を要求しても、製薬会社が未完成なワクチンを出荷することはあり得ないはずですが、何故出荷が強行されたのでしょうか。
ワクチン開発、製造会社の考え方が変わってきたからです。
当初は「ワクチン開発は時間がかかる」こと。
「ワクチン開発を国家権力で急かせるのは危険だからやめてほしい」との国際的共同宣言などで医薬品製造の各社は非常に慎重でした。
 変心はパンデミックが、誰もが想像しなかった大規模となったことにより、これまでの利益度外視商材が、利を生む卵となったことが主因でしょう。
もっと大きなメリットは各国政府が争いながら資金とチャンスを投入してくれ、大規模な世界的治験がリスクなしに、かつ利益を上げながら実施できること。
 これだけ大規模な治験となれば、そのデータによって、癌など難敵相手の新薬開発も一段と容易になりますから一石二鳥。
おいしい市場と見て、新たに参入する各国の企業が急増したことも、先進企業が未熟な製品を出荷した動機の一つでしょう。
 慎重だった開発姿勢が一転したのは、各国の要望に対応できるかどうかがまだ定まらない時期。
安全確保できていない未完成なワクチンの大量サプライを約束し、注文を取り続けましたが、それがビッグファーマに課された企業行動。
ワクチン供給の社会的使命が押しやられてもやむをえません。

日本を始め有力な先進国が緊急時の特別措置として、無駄を承知で必要量の何倍もの注文をした際に開発会社が突き付けた契約書。
「あくまでも未熟な製品を緊急需要に対応して納品しますが、リスクの責任と金銭的負担は購入サイド」を了承しているのですから、今回の契約は前例のない未曾有の特殊ケースです。