世界の健康と食の安全ニュース

新コロナ時代の護身術
学ぶべき医学の基礎知識と医療の常識
玉石混交の情報から何を得るか

2021/02/01
最終更新:2026-09-16

ワクチン接種は中国、ロシアを除く先進国合計でやっと5千万人くらいが終了したといわれます。
日本政府は先行開発した3社に、国民の半数が接種すると仮定した必要量の3倍以上を発注し各社のワクチンを到着順に接種するとおもわれますが、開発コンセプトにかなりの違いがそれぞれあります。
ともに開発後の日が浅く、治験中に等しい状態ですから、緊急を要するエッセンシャル・ワーカーは別として、急がない国民には選択肢を与えてくれると良いのですが。
これほど感染規模が拡がり、新たな変異種が出現したのは未曾有のことであり、しばらくは新種の数が増え続けるでしょうから対応も厄介です。

政府が国産を期待して多額な助成をしているワクチンは、いずれもメジャーではない外国技術の提携、導入です。治験中とはいえ、まだまだ実現には時間がかかるでしょう。
3月ごろからは後発のJ&J、GSKなど技術の確かな大手が期待できますし、夏ごろには先行三社の新種対応型や接種法の改良型が出回る予想もありますので壊滅は難しいとしても、人類がウィルスの封じ込めに成功すると良いのですが。。

基礎学問や製造技術で大幅に遅れている日本が世界に追いつくのは相当な時間が必要でしょうが国産ワクチン製造が実現するまでは、得手とする応用型の開発で存在感を発揮してほしいものです。
これまでのワクチンには張り付けパッチ型や気道への吸入型などが出現したことがありますがいまだに広まっていません。
そのあたりに余地がありそうです。

すでに中国製、ロシア製、インド製などの闇ワクチンが輸入されているようですが、これからは先行している著名ブランドの偽ワクチンが出回る危険性も指摘されています。

新コロナワクチンは生産量競争が始まっておりますが、現在、足りないのは各国のエッセンシャルワーカー向け.その後は市場に製品があふれてくるでしょう

1. 必須となった医学の基礎知識や医療の常識いくつかの変異種が現れたSARS-CoV-2の感染拡大によりステージ4状態の地域の医療崩壊は新規感染者、重症化感染者の入院がかなわず、自宅療養を強制されることが多くなりました。

新コロナウィルス感染で低酸素症(hypoxia)に陥っている自宅療養の高齢者が保健所の係員に説明された血中酸素飽和度(サチュレーション)を理解できず、貸与された簡易測定器(パルスオキシメーター)を使わず(使えず)に亡くなったケースの報道がありました。
自己判断で自宅療養に対応をしなければ、だれも助けてくれない環境となりつつあるということです。
医学の基礎知識や医療の常識にそれほど関心が無かった医者任せ、人任せな方にも感染症、生活習慣病の基礎的な対応を学ぶチャンスが来ています。

今月からワクチン接種が出来るようになりますが、自宅療法と同様にワクチン接種に関しての結果は自己責任。
体調、既往症、基礎疾患などを自身で詳細に事前把握して接種の可否を決めねばなりません。
世界的にも問診されてから考える方が多いようですが、時間がごく限られますから、それでは遅すぎます。
 一般的にSARS-CoV-2感染による呼吸困難は、重態化前に予兆が続きますから知識があれば防御は可能。
予測がむつかしいアナフィラキシーや*ADEなどの突然死とは異なります。

SARS-CoV-2の重要な性格は血栓が起きやすくなることですが、多くの方は日常的な血流への配慮で防いでいますから、突発で梗塞が起きるのはレア-ケース。
血栓により、脳卒中、心筋梗塞などを発症、または悪化した時の対応は時間との勝負で、多くのケースではセーフとなる処置まで1-3時間以内。
診療所や病院ならば緊急処置で対応できますが、自宅療養では難しいために予備知識の無い方の突然死が増えています。
*アナフィラキシーやADE(抗体依存性感染増強)は軽症で回復した方やワクチン接種をされる方が予備知識を得ておくべきアレルギー体反応です。2. 望ましい情報入手は複々経路かっては成人ならば、独学のメジャー・ソースは書店、図書館、友人。
いまは書籍離れが進み、ネット情報が圧倒的なメジャーですが、独学の情報源がネットだけでは判断ミス、間違いが起きやすくなります。
 間違った情報を得ないようにするには、親身になってくれる経験と豊富な情報を持つ医学者の友人を持つことが最良の道ですが、かなわぬならば、医薬品メーカー、食品メーカーなどのひも付きでない公平な医師や学者を探し、その本を読むことをお薦めします。
 今週は勉強意欲がある方に2冊の本を推薦いたしました(最終項)。
いずれも一部の方には以前にご紹介したことがありますが、「予備知識を増やす情報ではなく、SARS-CoV-2関連であふれている情報を取捨選択するのに役立つ(と思われる)内容です」
 医療情報は観光や料理、買い物情報とは次元が異なります。
一生の後悔とならないように質の高い情報を得ましょう。3. ネット経由のみで得る医療情報は危険が伴いますネットには必ずと言ってよいほど相反する二つの解説があり掲載される情報のほとんどが利害関係者の発信。
当然ながら発信者志向の解釈だけが流されます。
ところが多くの読者は、だれに強いられることもなく、それらの相反する情報から、自分に都合の良い側の情報を選び、それに従う傾向があります。
公平で正しい情報ではありませんから、自らが不利(病ならば悪化の原因)になるケースが珍しくありません。
現在のところワクチン情報は治験を含めて、ほとんどが開発企業や接種拡大を急ぐ各国の行政府からの発信。
負の情報の多くはテレビや大手新聞なども隠蔽しますから、一般の方が可否を判断するのは困難ですが、被接種者が数億人規模になるころにはメタアナリシスも進み、多数の信頼できる情報があふれるでしょう。
 ネット情報ならば信頼できるのは。メタアナリシスされた公平な疾病対策、栄養情報、食の安全情報を常々発信しているアメリカ合衆国保健福祉省(HHS)。
「メタアナリシスされた健康情報こそ勝ち組長寿への道偽健康情報を発信するステマとは」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=454

4. 大病院や大学病院の医師、研究者が発信する情報の信頼性ネット上には医学論文ではなく、一般人に向けた医学者、医師が発信する情報もたくさんあります。
国公私立大病院や大学病院の医師、研究者による、生活習慣病など疾病知識の普及を目的とした志あふれる解説は貴重です営利企業の発信とは異なり、はるかに有用な知識を無料で教えてくれます。
 ただし大病院や大学病院なら問題が無いわけではありません。
様々な形態で営利企業に所属する医師、研究者などが相当な割合で存在するからです。
また、大学や病院の研究や臨床試験の多くは、医薬品メーカーが寄付とは異なる助成金、奨励金を支出しています。
 先週末1月30日に報道された大阪大学病院と国立循環器病研究センターの医師による*ANPの血管拡張作用、利尿作用に関わる論文「*ハンプの肺癌および肺組織への影響」の実験データと図表の捏造(ねつぞう)。
その論文は著名医学誌に掲載され、それを根拠にいくつかの病院で数年間にわたり160人の肺がん患者にANP(ハンプ)を投与していました。
現在は論文が撤去され、治療も中止されています。

*ハンプ®:第一三共製薬から販売されている急性心不全治療薬として発売されているカルペリチド(Carperitide)剤。
論文に基づき試験的に肺がん治療に用いていました。
ANP(atrial natriuretic peptides:心房性ナトリウム利尿ペプチド)
 大阪大学では2006年にも、ベテランの有名教授が著名医学誌ネイチャー・メディシンに発表した糖尿病に関わるインシュリン様有用新物質発見の実験データ捏造が暴露され、撤回された事件が起きています。
 2007年にはノバルティス・ファーマが11億円余を投じて京都府立医科大学、東京慈恵会医科大学、滋賀医科大学、千葉大学、名古屋大学などを巻き込んだ大掛かりな高血圧治療薬偽装データ事件が摘発され大騒ぎとなりました。
研究者らの高血圧治療薬(ディオバン)の効能立証プロジェクトに捏造(ねつぞう)データを使用させ、著名誌(ランセット)に発表させた事件ですが、これらは氷山の一角。
治療法や医薬品開発につながる研究論文の捏造(ねつぞう)、改ざん、盗用は多発しています。5. 「研究不正」黒木登志夫:中央公論新社  (880円)
                         
国公立、私立有力医科大学のトップクラス研究者に多発する研究論文の不正を正義感あふれるがんの専門家が告発。
この本を読めば医学、生命科学の研究者にいかに不正が多いかわかります。
黒木登志夫:東北大学医学部卒業(1961年) 専攻は癌(がん)と発がん 東北大学加齢医学研究所助教授東京大学医科学研究所に常教授、教授として25年間勤務WHO国際がん研究機関、昭和大学教授、岐阜大学学長、日本がん学会会長などを歴任東京大学、岐阜大学名誉教授6. 「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事:東洋経済新報社」 カリフォルニア大学(UCLA)在籍の新進気鋭の学者「津川友介博士」(1,500円)


ハーバード大学で博士号を得た博士によれば、①製薬会社などが解説する「健康に良い成分」という言葉は(大きな)間違いであり、1種類の成分を抽出して効果を得ようとするのは、化学合成や副作用を当たり前と考える製薬会社の発想であり、栄養学分野では過去の考え方。
②一つの食材は多くの成分で成り立っており、1種類の成分で健康が得られるわけではない。
③幾つもの食材を複合的に摂取することで、効果あるコラボレーションが得られる。
④健康情報は偏った、生産者寄りの情報では無く、「メタアナリシス」された情報から得ることがもっとも重要。
「メタアナリシス」とは同様なテーマで書かれた多数の論文を分析し、共通の実験結果を探りだす手法。
津川博士の研究は第3項のリンク先に解説してあります。