長寿社会の勝ち組となるには:癌、認知症、脳卒中、心臓血管病

長寿社会の勝ち組となるには(その36):
腸内細菌叢の共生崩壊をグルテンフリーで制御

2019/08/24
最終更新:2026-09-16

「お腹を壊す」との表現も細菌の内外毒素やウィルスによる食中毒、神経系の下痢など原因は様々ですが、最も多いのが日常的な食物やサプリメント、医薬品による腸内微生物共生の破壊。
問題点は胃腸のトラブルをビジネスチャンスと捉え、様々な利益誘導の情報がメディアに溢れ、藁をもつかむ状態の人々を惑わすこと。
腸内微生物の共生破壊は微生物が産生する毒素により「お腹を壊す」だけでは終わらずに腎臓、肝臓、心血管、脳神経まで破壊する致死的な結末の原因ともなります。
対策はメディア情報の良し悪しを自己責任で判断する知識を得ることです。
「メタアナリシスされた健康情報こそ勝ち組長寿への道偽健康情報を発信するステマとは」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=454
 1. プロスポーツ選手が実践するグルテンフリープロ野球ジャイアンツのエース菅野投手が1か月半を超える体調不良の克服に「ジョコ療法」を採り入れて回復し、久々の勝ち星を得たことが報道されています。
「ジョコ療法」とはプロテニス世界ナンバーワンのジョコビッチ選手が採り入れている「グルテンフリー健康法」のこと。
最近では健康オタクのダルビッシュ有投手(在米)も薦めていると言われる「グルテンフリー:gluten-free」とは。2. グルテン(gluten)が引き起こす腸内微生物毒素の産生小麦類などのタンパク質の主要部分を占める糖蛋白質のグルテン(gluten)はパンやパスタを形作るばかりでなく、主食となる重要素材ですが、近年は拒絶反応(アレルギー)や腸内細菌叢(フローラ)のアンバランス(共生破壊:disturbance of symbiotic relationship)を引き起こす人が少なくありません。
100兆とも言われる腸内微生物叢(フローラ)の共生バランス喪失は腸内微生物による毒素産生の原因となり、症状は様々ですが、大多数は下痢、便秘、またはその交互発症などの腸の不具合を引き起こし、体組織全般に拡がります。
 「腸内微生物叢(フローラ)バランスの崩壊炎症性腸疾患(IBD)が癌の発現、進化を促進する」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=6443. 激しい運動に誘発される腸の異常(EIAn)は小麦が主原因マラソン選手の7割以上が経験しているといわれる食事後の運動による下痢など腸の異常。
誘因となる食物は小麦関連製品が多いのが特徴的といわれます。
専門家によれば、これは*EIAnと呼ばれる腸内細菌異常によるアレルギーのアナフィラキシー症状。
*EIAn:Exercise-Induced Anaphylaxis この症状は、運動の数時間前に食事をすることで起きやすくなり、食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIAn:Food-Dependent Exercise-Induced Anaphylaxis)とも呼んでいます。
*この分野の研究を続けている有力な臨床医師に江田証博士がおられます。
出版物がいろいろありますので検索して見てください。4. 小麦は世界の主食材としてトウモロコシに次ぐ生産量小麦は飼料を除けば食材のトップに位置しますが、近年になり様々な健康障害の原因物質ともなることが明らかになりつつあり、研究者、消費者団体と原料生産者、加工食品企業の議論が続いています。
詳細なメカニズムが解明された段階ではありませんが最近15年くらいで結論を待たずに「グルテンフリー」を実践する人々が急増。世界的に大きな潮流となりつつあります。5. グルテンフリー実践者の目的は腸内毒素産生の制御グルテンを原因物質とすることで良く知られているのが*セリアック病、小麦アレルギー、幼児、子供の*注意欠陥・多動障害 (ADHD)などですが世界の最も大きな関心は「消化器の不調」である機能性消化管障害(FGID)。
中でも恐れられているのが腸内微生物叢(gut microbiota)の共生バランスが崩れた腸内で、無数の微生物がタンパク質を発酵させてPクレゾール(PCS) 、インドキシル硫酸(IS)などの毒素を産出すること。
 カリフォルニア大学医学部の研究では腸内微生物が産出する代表的な毒素のPCS、ISが透析中の慢性腎臓病患者の心血管疾患を悪化させるという研究報告があります。
またヴェジタリアンと雑食者(omnivores)の各々の尿中毒素(PCS, IS)を調査したケースウェスターン大学(米国オハイオ州)の研究では、毒素が少ないのは圧倒的に(58%から62%)ヴェジタリアンでした。
 *注意欠陥・多動障害(Attention-deficit/hyperactivity disorder:ADHD)
*セリアック病(celiac disease:シリアルの病の意)
セリアック病はコーカシアンなど白人に多い、遺伝による原因が知られています特徴的なのはビタミンなど栄養分を吸収する小腸壁の繊毛(villi)が極端に失われています。
セリアック病は歴史的には小麦や穀物のグルテンに反応し腸に影響を与える自己免疫疾患のことですが、グルテンの反応とは異なる鉄欠乏症、骨粗しょう症など、いくつかの症状を発症する人もいるそうで、詳細はいまだに解明されていません。
 *Pクレゾール(p-cresol:PCS)とインドキシル硫酸(indoxyl sulfate:IS)
PCS ISの産生による発症は総称して腸内毒素症(Microbial Dysbiosis:ディスビオーシス)と呼ばれる症状ですが、毒素症は他の臓器や神経系統、骨、免疫などに悪影響を及ぼし、大腸癌(colorectal cancer)の原因ともなることも明らかになっています。
 *機能性消化管障害(functional gastrointestinal disorders:FGID)
以前は細かく分類されることが多かった胃腸障害は多様な言葉で表現されてきましたが、混乱を防ぐために1988年にローマで開催された世界消化器病学会で新たな基準が提唱されました。
「消化管由来と考えられる症状がありながらその原因となる客観的所見を同定できない症状」はシンプルに機能性消化管障害(FGID)と定義し、*機能性胃腸症(機能性ディスペプシア:FD)と*過敏性腸症候群(IBS)の診断基準が示されました。
 *機能性胃腸症(機能性ディスペプシア)(Functional dyspepsia:FD)
(NUD :non-ulcer dyspepsiaとも称されます)
*過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)6. (参照)低フォドマップ(Fodomap)食も選択肢アンチエージングや美容記事にフォドマップ(Fodomap)という言葉が溢れるようになりました。
フォドマップ食情報は「低炭水化物ダイエット」と同様に営利事業者により都合の良い情報に仕立てられることが多いのが難点。
可否が分からず混乱されている方も多いでしょう。
お腹の調子が思わしく無い方はグルテン情報同様に、気楽に、のめりこむことなく低フォドマップ食の知識を得て、活用したら良いと思います。
 Fodomapとは腸内でガスを産生するFermentable Oligo(発酵オリゴ糖)、Di-, Mono-saccharides(発酵二糖、単糖類)、*Polyols(ポリオール:糖アルコール)の頭文字で綴られた造語です。
(FODMAP is an acronym, derived from "Fermentable Oligo-, Di-,Mono-saccharides And Polyols)
* Polyols:食品の世界でのポリオールは砂糖の代用に蔗糖(しょとう)、ブドウ糖など天然の糖分に水素添加して合成する多糖アルコールを指します。
低カロリー糖として使用されているキシリトール、エリスリトールなどが著名ですが、アステルパームのような合成甘味料とは異なります。
 フォドマップを高単位で含有する果物、野菜、飲料を避けてブドウ、バナナ、レモン、イチゴ、ニンジン、トマト、緑茶、コーヒーなどを選択する(一例です)のが低フォドマップ食。
グルテン豊富な麦類加工食品(うどん、そば、イタリアンパスタ類)は高フォドマップ食です。7. (参照)限定乳酸菌を培養したヨーグルト菌ヨーグルトは日本民族に必ずしも有用ではないという有力な研究もあり、腸の健康がすぐれない方は過剰摂取を控えてみてください。
「ヨーグルトが悪化させる?小腸細菌異常増殖(サイボ:SIBO)」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=611
 特に問題となるのは幾つかの培養生菌(isolated live bacteria)だけで製造されたヨーグルト。
プロバイオティクスには安全性が保障されていません。
WHO(世界保健機構)も無制限で過剰摂食されているプロバイオティクス生菌サプリメントや乳酸菌系飲料に警告(Probiotic Safety—No Guarantees)を発しています。
*プロバイオティクス(probiotics:有用培養バクテリア菌)