医療新時代を開くNAD+ NMN(ナイアシン:ビタミンB³)

医療新時代を開くNAD+ NMNその5:
慶応大学医学部先端科学研究所の
若返り最先端医療情報

2024/11/18
最終更新:2026-09-08

1. BS-TBSが報道した「若返り医療最前線」9月2日のBS-TBSで放映された科学ミステリー「若返り医療最前線」はいくつかの例外を除けば先端的かつ公平な姿勢の健康長寿情報番組。
イントロダクションで島津製作所の田中耕一博士がアルツハイマー、認知症をわずかな血液で簡単に検知できる最新システムを紹介し、先端医学情報番組を演出。
女優の真矢ミキさんが山形県鶴岡市の慶応大学医学部先端科学研究所を訪れコーディネーターとなった富田勝教授が健康長寿の最先端研究を明かす演出でした。
また「百寿者総合研究センター」の広瀬信義特別招聘教授の現場取材を紹介。
広瀬教授は2018年には7万人にせまる百寿者(センテナリアン:100歳以上)と10,000人が目前となった超百寿者(スーパーセンテナリアン:105歳以上)の実態調査がライフワーク。
約800人をターゲットに疫学的分析により長寿の秘密を探る取材をしています。
 慶応大学医学部先端科学研究所の研究ターゲットは予防医療が主というスタンス。
来年末には100才以上の高齢者が10万人超えとなる高齢者社会には天井知らずの医療保険財政支出に歯止めをかける健康長寿社会の早期確立が必須。

加齢で発症が加速する生活習慣病や癌を予防し、医者いらず。
かつ「早期発見、早期治療」で重症化を防げれば国と国民の双方がハッピーです。
製薬会社はともかく、官立大学、公立研究所までが抗がん剤だけで今年(2018年)は1,200億ドル超え(約13兆円)といわれる世界のがん医療分野に乱入し、高い利益を追求する中で、巨額なリターンを求めない地道な基礎医学研究と予防医療の確立を目指す慶応大学先端科学研究所は公平な番組制作には適任だったでしょう。2. 健康長寿達成のキーワードコーディネーターとなった富田勝教授が採り上げたキーワードは6種類。
慢性炎症、AGE、テロメア、サーチュイン遺伝子、プラズマローゲン、SB623研究に歴史があり健康長寿促進の評価がほぼ固まっているのは、慢性炎症、テロメア、サーチュイン遺伝子、AGE の4種類です。
プラズマローゲン、SB623は研究者が限られているために効能や安全性を比較検証することが現段階ではできません。

「SB623」はサンバイオ株式会社が開発している脳卒中治療薬候補(治験中)。
慶応大学医学部長の岡野栄之教授が基礎開発をしています。
 プラズマローゲン(Plasmalogen)はビタミン様物質のコリン(Cholin)の一種といわれる物質。
認知症治療や脳卒中予防に良いといわれるコリンはレバー、卵、大豆などに豊富。
色々な形で細胞膜の内外に存在し膜の保護や神経伝達物質として類似物質のレシチンとともに評価が高くなっています。
(コリンは化学合成に成功してから100年を超えますから安全性は高いと思われますが、いまだに合成コリンの効果的摂取量、安全量は定まっていません。
合成オメガ3脂肪酸など他の成分も同様ですが、化学合成されたコリンは天然の数十倍から数百倍の摂取量が必要と推測されており、食品で摂取することが最も効能が高く、安全でしょう)
 一方、プラズマローゲン(Plasmalogen)は発見後100年にはなりますが、研究者がごく少なく、コリンやレシチンのジェネリックな効能効果、安全性があるのか、コリンやレシチンを超える認知症治療や脳卒中予防効能があるのか、情報不足です。
現段階では、コーディネーターの富田教授が採り上げた真意はわかりませんが、これから順次発信されてくると思います。3. 慢性炎症(chronic inflammatory disease)ノギボタニカル創業以来のテーマです。
生活習慣病、癌(がん)、感染症、自己免疫過剰症などほとんどの疾病は細胞が急性、慢性の炎症を起こしていますから、健康長寿を語るこの番組もトップ・テーマに慢性炎症を挙げました。
若者の細胞とは異なり、中高年が細胞分裂により新たに産生する細胞は特有の炎症を起こしており、炎症程度が寿命と比例しますから、健康長寿のためには誰もが日常的な炎症対策が必要です。
中高年の炎症対策は細胞内ミトコンドリアの代謝活動活性化(ATP産生量の増加)。
あらゆる疾病に発生する細胞炎症を防ぐことにも繋がります。
 代謝活動の衰えによるATP産生量減少は加齢や、酸化ストレスの活性酸素(ヒドロキシラジカルなど)がDNAを損傷するからといわれます。
食生活での酸化ストレス対策は色々ありますが、富田勝教授が番組内で推奨したのはオメガ3脂肪酸とワイン・レスベラトロール。
結論をまとめたフィナーレでは、青魚と赤ワインの食生活が長寿の鍵と推奨されていました。
(ノギボタニカルの参考記事)
「天然オメガ3脂肪酸の抗炎症メカニズム:
脂質メディエーターのレソルビン(Resolvin)とは」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=206
 「レスベは認知症の悪玉炎症分子の脳内侵入を防ぐ」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=524
 植物が護身に生成するポリフェノールは人間の護身にも大きな役割を果たしており、特にブドウ・レスベラトロールのスチルベンは活性酸素を消去し、ATP産生を活性化します。
(ノギボタニカルの参考記事)
「エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは:
合成コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)過剰摂取の危険性」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=147
 細胞内炎症の有無と程度は採血による検査法が相当数開発されており、いくつかの検査が健康保険の対象となっています。
癌の早期発見には欠かせない検査です。
番組ではベーシックなCRP(C-reactive protein)と呼ばれるタンパク質の検査が推奨されていました。4. 「見た目老化:皺(しわ)、シミ」の尺度となる終末糖化産物(AGE)AGE(終末糖化産物:Advanced Glycation End Products)は「タンパク質と糖が加熱化合した物質」。
人に備わっているタンパク質の修復機能(オートファジー現象:タンパク質の再合成)を低下させる物質として注目されています。
(ノギボタニカルの参考記事)
「老化と生活習慣病は細胞内異変の自動修復作用不全」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=518
 番組ではAGE(終末糖化産物)による「見た目老化」の促進を体の錆(さび)の増加と呼んでいました。
AGEは皺(しわ)、皮膚のシミの主因となるため「見た目老化」の原因物質となります。
見た目老化に個人差があるのは体内年齢と実年齢に差があるから。
現段階では体内年齢を終末糖化産物(AGE)の蓄積量で計測しています。
AGEの発生源は食生活と生活習慣といわれますが先進国ではAGEの発生源として特に異性化糖(high-fructose corn syrup:HFCS)の危険性が指摘されています。
異性化糖でポピュラーなのが、遺伝子組み換えトウモロコシより作られたコーンシロップ。
ヤクルト、カルピス、ポカリスウェット、アクエリアス、リポビタン、アリナミンなど健康飲料といわれる大手企業の商品が軒並みに異性化糖を使用しています(下記記事が掲載された時点)
(ノギボタニカルの参考記事)
「豊洲新市場のベンゼン汚染:連想させた老化促進AGEと異性化糖」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=522
 天然糖分と異なり異性化糖には拮抗成分がありませんから、ブドウ糖をはるかに超えた大量のAGE(終末糖化産物)が合成されます。
番組でも採り上げていますが、人為的に作られた果糖の最大の欠点がタンパク質の糖化反応(glycation)。
アルツハイマー型認知症、2型糖尿病患者にはタンパク質(コラーゲンなど)の糖化がみられます。
AGE(終末糖化産物)対策は異性化糖など危険な食品を敬遠すること。
番組ではストレス過剰や過剰飲酒、タバコなど悪しき生活習慣で生成されることも紹介しています。
(ノギボタニカルの参考記事)
「天然ブドウの抗酸化成分が網膜構造を護る:
萎縮型黄班変性症も酸化ストレスによる損傷」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=486
 5. テロメア(telomeres)は命の回数券テロメアはDNA先端を保護している長寿に関わる紐状物質。
細胞分裂毎に長さが減少して、消滅がイコール細胞死となります。
1971年には確認されていましたが、寿命に関わることが解明されたのは1980年代です。
テロメアはすでに一般の方々に市民権を得ていますので詳説はいたしませんが、テロメア研究は癌研究と密接な関係があり長寿達成には致死率の高い癌の克服が必須。
(ノギボタニカルの参考記事)
「ノーベル医学生理学賞(2009年)を受賞したテロメラーゼの発見
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=156
 人類の生死を左右しているだろうテロメア(telomere)とテロメラーゼ(telomerase)の機能解明は、長寿の達成と病からの解放、特に癌完治の可能性を示唆します。6. 開発されたテロメア(telomere)の測定法番組ではテロメアを命の回数券と呼び、近年開発されたテロメアの測定法を紹介し、測定結果を「テロメア年齢」と呼んでいます。
テロメア年齢の測定は広島大学田原教授グループが開発。
白血球DNAのテロメアを分離し計測する方法です。
産学共同の主旨に沿って、開発した測定法を田原教授の主導で設立したミルテル株式会社で実現化していますが、測定費用の詳細は不明。
予防医療の普及には低費用検査が不可欠ですから富裕層対象の高額測定とはならないことを期待しています。 
(ノギボタニカルの参考記事)
「なぜ精子のテロメアは長く、癌のそれは短い現代テロメラーゼ研究の立役者はランゲ博士」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=606
 ランゲ博士はハーバード大学のガレンテ博士らと同様にテロメア(telomeres)研究のオーソリティー。
現在は癌と長寿に関与するテロメア探究の発祥地であるロックフェラー大学教授。
ガレンテ博士らと異なるのはテロメア研究の切り口と志です。
ランゲ博士のテロメア研究は、創薬を最終目的にするボストンのガレンテ博士らとは異なり食生活からテロメアの活性化をはかり、癌予防、長寿の達成が目的。7. サーチュイン遺伝子(sirtuins)活性化とブドウ・レスベラトロール番組ではハーバード大学のデーヴィッド・シンクレアー博士(David Sinclair)を世界で最も先端的で、期待されている若返り物質の発見者として紹介しています。
命の回数券テロメア(telomeres)の生死を左右するテロメラーゼを活性化させるのが酵素のサーチュイン。
サーチュイン酵素は2006年にシンクレアー博士とバイオモル社(Biomol Research Laboratories Inc.)のホーウィッツ博士(Konrad T.Howitz)らにより論文発表されました。
彼らは細胞内で活性化すると、その寿命を延ばすことが出来る酵素を同定し、その酵素をサーチュイン(sirtuins)と名付けました。
サーチュインにはいくつかのタイプがありますがその一つの*Sir2は飢餓させると活性化する(Caloric Restriction:カロリー補給が無い)ことがシンクレアー博士らにより解明されました。
博士らは不自由なカロリー制限をせずともSir2を活性化させる手法の探索を続け、ついにサーチュイン活性化物質にたどり着きました。
サーチュイン活性化物質は彼らにスタック(STACs)と呼ばれ、微量でも活性化物質を含有する約5,000種類の物質を実験したそうですが、最終的に赤ワイン・ポリフェノールのレスベラトロール(スチルベン:stilbene)が最大のスタック(STACs)であることを確認するに至りました。
(ノギボタニカルの参考記事)
「サーチュイン活性化物質スタック(STACs)の発見」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=608
 8. スタック(STACs)を活性化するNAD+ NMN(VB3)その後の研究でスチルベンを活性化させる補酵素となっているのがNAD+ NMN(VB3)であることを見出しましたが、番組で紹介されたのがシンクレア博士の「最先端の若返り薬」と期待されているナイアシンの派生物*NMNです。
NMNはナイアシンを前駆体とする中間代謝物ですからNAD+ (VB3)の摂取で目的は達せられますが、合成技術を駆使してNMNを生産して売り出すのは他社との差別化のためと思われます。
* NMN:ニコチンアミドモノヌクレオチド(nicotinamide mononucleotide)
NMNは「最先端の若返り薬」として紹介されましたが、あくまでも補酵素。
シンクレア博士らは実際にはスチルベン(stilbene)との組み合わせで新薬を創ることを進めています。
*サーチュインのSir2はほとんどの生物細胞に含まれるNAD+依存性ヒストン脱アセチル化酵素*(NAD+-dependent deacetylases)。
(*NAD:ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド:nicotinamide adenine dinucleotide)。
(ノギボタニカルの参考記事)
「NAD+ NMNがサーチュインとコラボレーション:
長寿と癌(がん)研究の新たな潮流」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=605
 (ノギボタニカルの参考記事)
「癌の増殖、転移を防ぐには:ミトコンドリアmtDNAの抗酸化米国の億万長者は「終わりなき生命」研究に多額投資」
https://botanicals.co.jp/library_view.php?library_num=590
  9. 慶応大学医学部が「百寿者総合研究センター」を設立2014年4月に慶応大学医学部老年内科は「百寿者総合研究センター」
を設立しました。
番組では研究センターを設立するきっかけとなった広瀬信義慶応大学特別招聘教授の現場取材を紹介しています。
広瀬教授は2018年には7万人にせまる百寿者(センテナリアン:100歳以上)と10,000人が目前となった超百寿者(スーパーセンテナリアン:105歳以上)の実態調査がライフワーク。
約800人をターゲットに疫学的分析により長寿の秘密を探る取材をしています。
(この部分は第1項と一部が重複します)
 百寿者総合研究センターでは設立目的を下記のように述べています。
「超高齢社会を見据えた新しい予防医療、健康増進法を確立するため、各専門の診療科と基礎研究部門と協力して国民の皆様の健康長寿を支える包括的医学研究拠点を目指します。
また、百寿者に関する包括的な研究・教育・診療を通じて予防医学研究や医療を実践し、超高齢社会に対応する医学・医療の発展に貢献できる学際的人材の育成に寄与することを目的としています」10. 大学医学部の産学協同のあるべき姿とは学校法人への助成が減額されてから大学自主財政推進のため産学共同研究が推奨されていますが、医学の分野では成功しているとは思えません。
開発技術を民間に販売するというより、大学主導の会社設立が増えていますが、収益を最優先しなければならない事業会社経営を志が営利ではない、慣れない医学者が主導することは至難。
結局は社会的使命が忘れられ、高額治療や高額創薬を目的とする富裕層向け医療開発を優先するケースが多くなります。
少なくとも官立大学医学部の営利企業経営は日本国民の共感が得られないでしょう。
 1,000億ドル市場といわれる制がん剤、癌治療医術に産学共同研究というより若い医学者が直接営利企業を設立し、参入するケースが米国では増えています。
教育課程で巨額な個人負担が必要な米国では、奨学金を筆頭に巨額となった学生時代の債務返済に奔走しなければなりません。
ハーバード大学、スタンフォード大学などの私学が研究者の副業(?)に寛容的なのは社会的要請があるのでしょう。
日本とは土壌が異なります。11. 健康情報の選別はメタアナリシスで情報が多すぎて何を信じたらわからないという方が多いようですがメディアにあふれる健康情報の選別は決して難しいものではありません。
今年の7月にご紹介しましたが、カリフォルニア大学(UCLA)の「津川友介準教授」が著した隠れたベストセラー「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」では健康情報は偏った、生産者寄りの情報では無く、「メタアナリシス」から得ることがもっとも重要と説いています。
「メタアナリシス」とは同様なテーマで書かれた多数の論文を分析し、共通の実験結果を探りだす手法です。

初版:2018/09/18