|

強精強壮食品専門店で売られる海産乾物御三家のナマコ、タツノオトシゴ、ヒトデ. ヘビ類(正体不明)とゲッコー(後述)もありました.(ニャチャン:ベトナム)

タツノオトシゴ(Hippocampus)は海産乾物屋さんでも販売されています.粉末で販売されるものは偽物だらけ. 中国系人はお互いに不信感がありますから乾物でないと信用されません.
タツノオトシゴはそのユニークでユーモラスな姿が世界中で愛され、ヒトデとともに多くの装飾品、玩具が作られていますが、強精強壮の漢方薬としても永い歴史があります。

https://nogibotanical.com/archives/2699
1.ナマコ(Apostichopus japonicus :sea cucumbers) 2.ナマコは朝鮮人参に匹敵する健康食品 3.2000年代にアジアでナマコ・バブル 4.アジアのナマコバブルにフロリダ州が乱獲禁止令 5.日本のナマコ産業は輸出が柱 6.ヒトデ(人手、海星:star fish)の薬効(以上は前編に掲載)
7.タツノオトシゴ(竜の落とし子:sea horse:Hippocampus)

海産乾物屋で売られる乾燥オオウミウマ(大海馬:Hippocampus kelloggi)

タツノオトシゴの漢方薬は海馬とよばれ、薬膳料理にも使用されます. 他の漢方系強精強壮素材に較べれば価格が安いため、販売する大衆的乾物屋もたくさんあります.(ニャチャン:ベトナム)
タツノオトシゴはヨウジウオ科(Syngnathidae)タツノオトシゴ属(Hippocampus Hippocampinae) 見た目では理解しがたいですが魚類。 判明している種類が37種はあるといわれますが、小さな種類が多く、強精強壮の健康食品となるのは20から30センチ前後の大型種3種類。 観賞用は小さいものも含め数十種類。 頭部が馬や喫煙パイプに似ているため英語はシーホース(sea horse)。パイプフィッシュ(pipefishes)。 龍にも似ているとドラゴンフィッシュ(dragon fishes).と呼ぶ人もいます。 中国語は漢方名と同じ海馬か海龍。 東南アジアでは下記3種類が取引対象となっています。
*オオウミウマ(大海馬:Hippocampus kelloggi)アジアで獲れる最大種:英語愛称はGreat Seahorse*クロウミウマ(黒海馬:Hippocampus. kuda) *タカクラタツ (Hippocampus. trimaculatus) タカクラとは日本人が別な学名とともに命名したらしいですが国際的な学名として否定されたようです。
乾物タツノオトシゴの生産者と消費者タツノオトシゴは健康食品、ペット、装飾品として人気があるために環境保護団体は絶滅の危惧があることを懸念しています。 薬用、食用として強精強壮に使用される東南アジア産の大型種は中国、香港、台湾が最大の需要家. 生産者はインド、スリランカ、ベトナム、フィリッピン、タイなど。 正確な統計は不明ですが、2000年代は年間2,500万匹くらいが売買されたと推測されています. 現在絶滅危惧種となっているのは南アフリカの大型種(cape seahorse:Hippocampus capensis ).


強精強壮漢方薬の専門店で売られる「活きタツノオトシゴ」 ヘラヤガラも混ざっています(ニャチャン:ベトナム)

横浜中華街水族館(日本)のオオウミウマ(大海馬:Hippocampus kelloggi) アジアで獲れる最大種(Great Seahorse) 体色はいろいろあり、カメレオンのように環境で変化する保護色もあります。
(写真下)台湾台北市迪化街で購入した乾燥オオウミウマ

8.タツノオトシゴの近縁種も強精食品:タツノイトコ、タツノハトコ、ヘラヤガラ、ヘコアユ
タツノオトシゴの親戚も強精強壮目的で使用されています。 タツノオトシゴと異なって立ち泳ぎせずに横に泳ぎますから、もう少し魚らしい振る舞い。
*タツノイトコ(Acentronura gracilissima):(Bastard seahorse) トゲウオ目ヨウジウオ科*タツノハトコ(Acentronura tentaculata:Shortpouch pygmy pipehorse ) トゲウオ目ヨウジウオ科*ヘラヤガラ(Aulostomus chinensis) トゲウオ目 トゲウオ亜目 ヘラヤガラ科 ヘラヤガラ属:東南アジア、オーストラリアではその独特の形状から様々な愛称で呼ばれています。 Trumpetfish(トランペットフィッシュ)、Painted flutemouth(口が彩色されたフルート)、Stick fish(棒)。 *ヘコアユ(兵児鮎:Aeoliscus strigatus): (Razorfish:Striped Shrimpfish): トゲウオ目ヨウジウオ亜目ヘコアユ科ヘコアユ属。. 水族館の小さな水槽では立ち泳ぎを続けるヘコアユの群れが展示されています。

水槽中のイカリナマコ科の1種(Synaptidae sp.)。 一見海藻の屑のようですが強精強壮の健康食品として使用されます.
9.タツノオトシゴのテルペノイドとサポニン
海産乾物御三家のナマコ、タツノオトシゴ、ヒトデのテルペノイド、サポニンは催淫剤や媚薬ではなく、内分泌(ホルモン)に関わる効果があるとされます。 ただし粉末は偽物か多量の混ぜ物がありますから要注意。 古くから虚弱体質改善、強精、若返り目的に使用されてきましたが、男女性ホルモンの活性化作用があり、女性はエストロゲンの活性化、男性はテストステロンの活性化が知られています。 男女は両性のホルモンを生成しており、兌換性もあります。 女性の卵巣休止期を遅らせるためにタツノオトシゴを摂食する習慣があるのは、エストロゲンの活性化作用を期待しているからです。
海馬補 腎丸という古くからの漢方薬がありますが強精作用を持つとされる動植物を20種類近く混合したものです。
ところが高価な素材ばかりですから近年の配合量はごく微量。中国ではイメージだけを配合しているようで有効性は疑問視されています。 最近のサプリメントにも、健康に良いとされる成分を10も15種類も混合したものがありますが、高価なものはごく微量。安価なものは安全性を無視したように多量。海馬補 腎丸と同様、中国式手法です。
イ ンドネシアの大学(North Sumatera University, Indonesia)がタツノオトシゴのテルペノイド、サポニンの乳がん、肺がんへの有効性を調べた研究があります。 漢方薬と同様にタツノオトシゴのアルコール抽出物、粉末が試験管レベルで調査されましたが、癌(がん)細胞を破壊する効果(cytotoxic effects)が報告されています。
10.トッケイヤモリ(オオヤモリ:Linnaeus):
ヤモリが加わり最強の強精強壮セットを構成する。

トッケイヤモリ(オオヤモリ:Linnaeus)(ニャチャン:ベトナム)
トッケイヤモリ(オオヤモリ:Linnaeus)は30センチ前後の大型ヤモリ。 中国南西部から東南アジア全域に棲息するといわれます。 ヤモリ科ヤモリ属.その鳴き声から欧米でゲッコー(gekko)と呼ばれている。 乾燥したトッケイヤモリは蛤(ごう:♂)やカイ(♀?)と呼ばれる漢方薬。伝来の用法では糖尿病、強精強壮、喘息に役立つという。2000年前後にエイズ特効薬との説が流布され乱獲されたことがあります。効能の真偽は定かでありません。

(写真上下)乾燥トッケイヤモリはタツノオトシゴ、ヒトデ、ナマコと同じ袋でセットになって売られています。
セットが売られていたのは漢方薬局ではなく健康食品の乾物屋という程度ですから専門的知識で解説できる人はいませんでした。 組み合わせの意味は不明ですが、組み合わせるのは漢方薬の手法。 相乗効果、減毒効果があるのは間違いないでしょう。


(参考写真下)ヤモリやトカゲは熱帯、亜熱帯が主産地ですが首都圏の住宅地にも10センチを超えるヤモリやトカゲが棲息しています。 (神奈川県藤沢市)

湘南地方のヤモリは家の中や軒下、外玄関などに生息する薄いベージュの小型種がほとんどです。 これは庭の噴水の石材に張り付いていました。 ベージュが幼生で、これが成熟体かもしれません。 見るからに強精強壮効果がありそう。 ニホンヤモリ(Gekko japonicus)でしょうが、生物は外見や色で安易に同定するのは危険ですからあえて識別を試みません。
(生鮮食材研究家:しらす・さぶろう)
|