麻薬のルーツは麻黄(Ephedra sinica:エフェドラ)のアルカロイド
エフェドラ・アルカロイドから作られた神経毒のエフェドリン(ephedrine)
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1.米国でも禁止されたエフェドラ(Ephedra)のサプリメント 米国では2004年4月から、エフェドラ(Ephedra)とエフェドラから抽出されるアルカロイド成分のエフェドリン(ephedrine)のサプリメントが、実質的に販売できなくなりました。エフェドラは日本でマオウ(麻黄:Ephedra sinica STAPF )とよばれる生薬植物。 米国では2004年までは自由に製造販売されていましたが副作用の心臓血管病,心拍異常,けいれん発作,精神異常などが多発し、死亡者も出ていました。 米国の販売禁止は2004年2月にFDAにより制定された新規則が、2ヵ月間の猶予をおいて、4月8日から施行されたものです。エフェドラは神経に作用する植物毒(アルカロイド)を含有します。ダイエット効果(脳神経に働き、食欲不振になる)を期待するサプリメントが普及していましたが、性的享楽、ボディービルディング、エネルギー増強、花粉症対策などにも使用されていました。 永らく販売が自由であった米国でしたが、エフェドリンの服用量、服用法が難しいために、米国医師会とFDAでは、これらの危険な副作用をたびたび警告し、特に合成化合物(ephedrine *HCl)の危険性が高いと指摘していました。サプリメントのほとんどは合成化合物のエフェドリン塩酸塩:Ephedrine Hydrochloride です。 2.日本では従来から禁止されているエフェドラ(麻黄:マオウ)のサプリメント 日本では従来からエフェドラの代表的アルカロイド(Alkaloids)成分4種類が医薬品となっているため、エフェドラ(麻黄:Ephedra sinica Stapf)とエフェドリン(ephedrine)の輸入は、エフェドリン含有サプリメント、お茶類も含めて禁止されています。 医薬品にはエフェドリン(l-ephedrine)、プソイドエフェドリン(d-pseudoephedrine)、メチルエフェドリン(l-methylephedrine)、ノルエフェドリン(l-norephedrine)の4種類が使用されています。日本ではエフェドリン輸入が禁止されているため、個人輸入、代行輸入が抜け道となっていました。 3.マオウ(Ephedra)からエフェドリンを分離した東大の長井長義教授 エフェドリン(ephedrine)は1885年(明治18年)ごろ、東京帝国大学医学部薬学科、長井長義教授により単離抽出され、構造が決定されました。長井長義教授は明治13年(1880年)に設立された日本薬学会(東京都渋谷区)の初代会長。 エフェドリン(塩酸エフェドリン)(l-ephedrine) 4.マオウ(麻黄)の種類 エフェドラ(Ephedra:麻黄)は中国原産といわれ、気管支喘息の特効薬として歴史があります。漢方薬の「麻黄湯」、「麻杏甘石湯」の主成分ですが、薬局で売られる風邪薬や「葛根湯」などに微量が配合されているケースがあります。
マオウにはEphedra sinica、Ephedra intermedia、Ephedra equisetina Bungeの3種類ありますが、生薬の麻黄としては、Ephedra sinica系の蒙古原産フタマタマオウ(マンシュウマオウ)(Ephedra distachya Linn)の栽培が主。
5.合成エフェドリンを含有する初期のダイエット系、享楽系サプリメント 主として2004の禁止後にサプリメントとして出現。体重減少の目的で使用される栄養補助食品。脂肪燃焼効果を謳う商品とストリートドラッグの代替としてセックス目的、興奮剤として合成エフェドリンを使用するものがあります。米国FDAより警告されながらも全米で販売され、全面禁止の日本にも違法輸入されていました。カッコ内は製造元。 Adipokinetix(ephedrine HCl含有*)(Better-Bodies, USA) Herbtech (ephedra含有) 警告対象となったのはノル・エフェドリン(norephedrine HCl)がほとんどでした。Yellow Jackets社はエフェドラ(ephedra),コーラナッツ(*kola nut抽出物)、カフェイン(caffeine)などを含有するハーブ製品。Herbtech社は合成エフェドラ(ephedra)またはマオウ(ma huang)を含有する各種製品を非合法的ストリートドラッグの代替品として販売していることに対して違法警告されました。大手のHerbtech社が警告された目的別ドラッグの商品名は下記です。 6.アルカロイド(Alkaloids)とは アルカロイドはアルカリ様という意味で、動植物に含有されるアルカリ性(塩基性)成分の総称です。特に植物には多く分布します。植物毒のほとんどは、アルカロイド成分が占め、マオウ科、ナス科、ケシ科、メギ科、キンポウゲ科、アカネ科、マメ科、ユリ科、ヒガンバナ科など多数の植物に含有されます。植物毒のアルカロイドは神経ホルモン様の働きを示し、末端神経に入り込むと、少量で神経を麻痺させる毒性を示します。この作用が医療分野で応用されて、多数の医薬品が開発されています。代表的な薬用植物アルカロイドにはマオウ科のエフェドリン(ephedrine)の他、下記の種類があります。 7.ナス科(Solanaceae)のアルカロイド(Alkaloids)
ハシリドコロ(Scopolia japonica):ナス科(Solanaceae) ハシリドコロ(Scopolia japonica) 代表的アルカロイド成分名:はスコポラミン(Scopolamine)、アトロピン(atropine)スコポラミン、アトロピン合成物質には、副交感神経拮抗薬(商品名ブスコパン:buscopan)、アトロピン系鎮痙剤(商品名パンテリン)、白内障治療薬(商品名ロートエキス。瞳孔括約筋を弛緩させる作用)など多数の医薬品があります。スコポラミン、アトロピンはアセチルコリンの可逆的拮抗物質です。この作用はサリンの解毒薬に使用されるそうです。 8.ケシ科(Papaveraceae)のアルカロイド:アヘン、モルヒネ
ケシ(芥子)は地中海原産といわれます。東ヨーロッパ、アジアの高原地方で栽培される。代表的アルカロイド成分名:モルヒネ(morphine)、コデイン(Codeine)、パパベリン(Papaverine)、ノスカピン(Noscapine) 実の乳液が麻酔、鎮痛剤、麻薬のアヘン(阿片:Opium Pulveratum)に使用されます。ケシ科には200種類以上があり、園芸栽培される小型のヒナゲシ(雛芥子、Papaver rhoeas L.)、別名グビジンソウ(虞美人草)はポピー(Poppy.)として親しまれていますが、毒性のアルカロイドは、ほとんどありません。
(参考) オキシコドン (oxycodone) (商品名:オキシコンチンなど) 9.キンポウゲ科(Ranunculaceae)のアルカロイド(Alkaloids)
オウレン(黄連)(Coptis japonica、Coptis chinensis):キンポウゲ科(Ranunculaceae) 中国、日本に自生する。代表的アルカロイド成分名:ベルベリン(Berberine)、パルマチン(palmatine)生薬として根茎が苦味健胃整腸,消炎,精神不安に使用されます。オウレン(黄連)(Coptis japonica、Coptis chinensis) 10.アカネ科 (Rubiaceae) のアルカロイド(Alkaloids) アカキナノキ(学名:Cinchona succirubra, Pavon)(Cinchona pubescens Vahlという説もあります) 初版:2004年4月 |








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