サメ肝油のよもやま話 a. ミクロネシア(Micronesian Islands)では古くからサメ肝油が薬として用いられてきた。 b. 1758年にスウェーデンの植物学者Carolus Linnaeusが漁師の間で広く食されていたドッグ・フィッシュ(アイザメの仲間:Dogfish sharks、Centrophoridae)の肝油に薬用効果があるのを発見。スウェーデンやデンマークの漁師たちは傷の手当てと呼吸器の腫れに肝油を使用していた。 c. 日本では駿河湾の漁師たちがアイザメの仲間Centrophoridae科のサメ肝油を薬として使用していたという。 d. 中国では16世紀の本草綱目に生薬として記載があるという。 e. スペインでは漁師たちが風邪薬や万能薬として"aceite de bacalao"と呼ばれたサメ肝油を用いている報告がある。 f. ヘミングウェイ(Ernest Hemingway)の老人と海(The Old Man and the Sea)には、「毎日、彼は漁師たちが船具置き場としている小屋のドラム缶より、サメの肝油を取り出して飲んでいた。それは風邪やインフルエンザを治し、目の健康にとても良かった」「He also drank shark liver oil each day from the drum in the shack where many of the fishermen kept their gear. It was very good against all colds and grippes and it was good for the eyes」という記述があります。
1922年に、ある学者(名前は不明)がサメの肝油の免疫力強化作用物質( the therapeutically active component) は、脂肪酸のモノアシルグリセロール(Monoacylglycerol:MAG)の形を持つ物質(1-O-alkyl-23-diacyl-sn-glycerols)であると発表し、この物質をアルコキシグリセロール(alkoxyglycerols)と名づけました。 アルコキシグリセロールは人体では母乳や骨髄に含まれる成分。 アルコキシグリセロールは免疫に不可欠な白血球の増加に働く成分と言われており、1950年代より、世界の50カ国以上でこの成分に関する研究が行われています。 ※ジアシルグリセリルエーテル(DAGE)はアルコキシグリセロールを含有しています。
8.スクワラミン(Squalamine)
1996年にミネアポリスの米国脳外科学会年次総会において、ジョーンホプキンス大学薬学部(Johns Hopkins School of Medicine)のDr. Henry Brem Allen Sills Mark Donowitz達がサメ軟骨よりアミノステロール成分(aminosterols)を抽出し、スクワラミン(Squalamine)と名付けました。 同時にスクワラミンには、悪性腫瘍増殖に関わる新生血管の増殖抑制作用(angiogenesis)や病原性微生物の駆除に役立つ作用があることの研究報告がなされましたが、この研究は実験用ウサギの脳腫瘍によって確認されたものです。 1998年には臨床治験が行われると発表されましたが、実行の有無は確認できておりません。